Shopifyで会員限定・先行販売を始めるときは、「誰が対象か」「何を見せるか」「どの条件で買えるか」を分けて決めましょう。会員向けの案内ページを作っても、購入時に対象者を判定する設定まで済んだことにはなりません。
たとえば、ファンクラブの有効会員だけに新商品を先行販売する場合。会員の確認方法に加え、販売開始後に入会した人、期限が切れた人、一般販売へ切り替わる時刻の扱いも必要です。販売担当者と会員管理の担当者が、同じ条件を見て判断できる形にしておきます。
対象会員と確認方法
「会員」の意味を具体的にします。Shopifyにお客様情報がある人、ログインできる人、有料会員サービスで資格が有効な人は、それぞれ範囲が異なります。
Shopifyのお客様アカウントでは、既存のお客様情報にひも付かないメールアドレスでログインすると、新しいお客様プロフィールが自動的に作られます。ログインできたことだけで、特定の会員サービスの資格まで確認したことにはなりません。Shopify公式のお客様アカウントの説明
外部の会員リストを使うなら、Shopifyで購入する人とリスト上の会員をどう結びつけるかを決めます。メールアドレスで照合する場合も、入力された文字がリストにあることと、そのメールアドレスの持ち主であることの確認は別です。確認済みのアカウントと会員情報を照合する方法を、利用するアプリや開発担当者に確認してください。
| 決める項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 対象となる資格 | 全会員、有料会員、特定ランクなど、対象に含める条件 |
| 判定の基準日 | 販売前に対象者を確定するか、購入時点の有効資格で判定するか |
| 会員との照合 | どの会員情報と、確認済みのどのお客様情報を結びつけるか |
| 追加・除外 | 入会・退会・期限切れを、誰がいつ販売側へ反映するか |
| 照合できない場合 | メールアドレスの変更や登録違いを、誰が確認するか |
顧客タグを対象者の目印にすることもあります。Shopifyのタグは顧客などの情報を分類・整理する機能です。タグを付ける作業とは別に、そのタグを使って購入可否を判定する設定が必要です。Shopify公式のタグの説明
会員情報を定期的に取り込む運用では、反映までの時間も案内に含めます。「入会すると購入できる」と伝えるなら、入会直後から対象になるのか、次回更新後なのかを明確にしましょう。追加の会員項目を集める場合は、会員登録・プロフィール項目の整理も参考になります。
商品を見る制限と購入する制限
商品を見せる範囲と、購入を認める範囲を別々に決めます。商品情報は誰でも見られ、対象会員だけが先に買える販売もあれば、商品情報自体を会員だけに見せる販売もあります。
| 目的 | 決めること | 確認する場面 |
|---|---|---|
| 商品情報を限定する | 商品名・画像・価格のどこまで見せるか | 商品一覧、検索、商品ページのURLを直接開いた場合 |
| 対象会員だけに販売する | 購入時にどの会員資格を確かめるか | 通常の購入手続き、利用するスピードチェックアウト |
| 一部の商品だけを制限する | 対象商品・色・サイズの範囲 | 通常商品と対象商品を一緒に注文する場合 |
Shopifyの「非掲載」商品は一覧や検索などに表示されなくても、直接URLからアクセスしてカートへ追加できます。URLを会員にだけ知らせる方法と、会員資格を確認して購入を制限する方法は異なります。Shopify公式の商品ステータスの説明
購入条件を適用する方法として、Shopifyはカート・チェックアウトの検証に対応したアプリを案内しています。購入可能な数量などのルールを設定し、有効にする仕組みです。使いたい条件への対応と、現在のShopifyプランで利用できるかは、導入するアプリごとに確認します。Shopify公式のチェックアウトルールの説明
Shopifyの公式開発資料では会員資格の確認を購入時の検証の用途に挙げ、Shop Payなどのスピードチェックアウトにも対応するとしています。一方、POSや注文後の編集など、同じ検証が適用されない経路もあります。ネットショップ以外でも受注する場合は、そこでの対応を別に決めてください。Shopify公式の購入時の検証と対応範囲
販売期間と購入個数
販売日時は開始・終了の時刻とタイムゾーンまでそろえます。「終了までにカートへ入れればよい」のか「終了までに購入を完了する必要がある」のかも、販売条件と案内文で合わせましょう。先行期間中に商品をカートへ入れ、一般販売へ切り替わった後に手続きを進める場合の扱いも確認します。
個数制限は、数える範囲によって必要な設定が変わります。
| 案内したい条件 | 決めること |
|---|---|
| 1注文につき2個まで | 対象商品をまとめて2個か、商品・色・サイズごとに2個か |
| 期間中1会員につき2個まで | 別の注文も合算する方法と、キャンセル分の扱い |
| 先行販売分の在庫を限定 | 一般販売分と在庫をどう分け、残数を誰が確認するか |
「1注文2個まで」の設定だけでは別の注文を含めた「期間中1会員2個まで」と同じ条件にはなりません。後者が必要なら、注文履歴の集計や同時に購入手続きを進めた場合まで、対応できる方法を確認してください。注文完了後に超過分を取り消す運用を採る場合も、購入前に止める制限とは区別して案内します。
条件をまとめる運用例
次は商品情報を一般公開し、最初の24時間だけ対象会員へ販売する例です。特定の店舗の実績や、アプリの標準設定を示すものではありません。
| 項目 | この運用例での条件 |
|---|---|
| 対象者 | 販売前日に確定した対象会員リストを使い、期間中の新規追加はしない |
| 閲覧 | 商品名・画像・価格は誰でも見られる |
| 購入 | 先行期間中は確認済みのアカウントと対象リストを照合する |
| 期間 | 販売初日の10時から翌日10時まで、日本時間で先行販売 |
| 個数 | 先行・一般とも、対象商品は1注文につき合計2個まで |
| 終了後 | 一般販売へ切り替え、会員資格の条件を解除する |

この条件なら、販売中に入会した人は今回の先行販売には含みません。途中の入会者も対象にしたいなら、追加の締め切り、反映する担当者、購入可能になる時刻を表に追記します。対象リストの誤りを修正する手順も、新規入会者の追加とは分けて用意しておきましょう。
販売終了後の切り替え
先行販売の終了時は会員向けの案内を消すだけでなく、購入条件も一般販売に合わせます。上の例では会員資格の条件を外し、1注文2個までの条件は残します。商品ページ、案内メール、購入できないときのメッセージも同じ時刻と条件を示す必要があります。
一般販売を行わず終了する場合は、対象商品の販売を止める方法を決めます。販売後も説明や購入履歴の確認に必要なページを残すか、次回販売の案内を出すかも整理しておくと、担当者が判断しやすくなります。
今回の販売用に付けたタグや取り込んだ対象者リストは、次回にそのまま使うかどうかを決めてから扱います。購入資格を無効にする作業と、問い合わせに備えた記録の保管は別です。今回の条件を後で説明できる範囲で、対象者の確定時点、条件変更、対応記録を残す方針を決めましょう。
公開前の確認と相談の準備
公開前は、対象会員が購入できることと、対象外の人が購入できないことの両方を確認します。未ログイン、対象外、対象会員、個数超過、販売開始前・終了後を分け、利用予定の購入方法で試してください。会員情報を更新できない場合に販売を続けるか、止めるかも決めておきます。
相談前に用意するものは現在の会員管理方法、対象商品の一覧、販売期間、個数制限、終了後の方針です。使っているアプリ名と、外部会員情報を更新する頻度も添えると、実現方法を検討しやすくなります。対象者の照合や購入時の制限をどう組み合わせるか分からない場合は、Popazへご相談ください。