「注文確認メールは送っているけれど、その後は何も案内していない」。購入後のメールを始めるなら、まず一つの商品について、お客様が使い始めるときに知りたいことを1通にまとめてみてください。
手入れの方法、使い方の相談先、消耗品の買い足し。送る内容は商品によって変わります。長く使うバッグを買った人に、すぐ同じバッグの買い替えを勧める必要はありません。
Shopifyでは注文確認などの通知と、Shopify Messagingで送るマーケティングメールを分けて管理します。この記事ではその違いを押さえたうえで、購入後メールの文面と配信条件を具体的に決めていきます。
購入後メールと注文確認メールは役割が違う
まず、現在どのメールが送られているかを確認します。Shopify標準の注文確認、発送通知、返金通知は、注文や配送の状況を知らせるメールです。管理画面の[設定]から[通知]を開くと確認できます。
| 種類 | 主に伝えること | Shopifyで使う機能 |
|---|---|---|
| 注文・配送の通知 | 注文内容、発送状況、返金など、その取引に必要な情報 | [設定]の[通知] |
| 購入後のマーケティングメール | 商品の活用、関連商品の紹介、次の購入につながる案内 | Shopify Messagingの配信・オートメーション |
注文時にメールアドレスを入力してもらったことと、販促メールへの同意は別です。Shopify Messagingで購入後の案内を送る場合は、メールマーケティングを購読している人を対象にします。商品紹介やクーポンを、同意を確認しないまま注文通知に追加する運用は避けましょう。
ここで紹介するケアや使い方のメールも、Shopify Messagingで送る購読者向けの配信として設計します。個別の問い合わせへの返信や、注文に必要な連絡とは区別してください。実際の配信では販売先に適用される法令と、ストアで取得している同意の内容も確認します。
購入履歴があっても、メールマーケティングの購読者とは限りません。顧客情報で購読状況を確認し、購入履歴だけを見て配信対象にしないようにしてください。
誰に送るかは実際の購入商品から考える
SNSで反応のよい話題でも、購入者にそのまま役立つとは限りません。購入後のメールは、実際に買った人がどの商品を選び、どんな疑問を持っているかを基準に考えてください。
購入された商品と、購入前後に受けた質問を見返してみます。「このバッグは洗えますか」という質問が多ければ、手入れの案内を作る理由があります。「コーヒー豆を使い切る前に注文したい」という声なら、買い足しの案内が候補になります。
| 商品の性質 | 購入後に役立つ内容 | 時期を決める手がかり |
|---|---|---|
| バッグ・道具など長く使う商品 | 使い方、手入れ、困ったときの相談先 | 到着後に使い始める時期、問い合わせが増える時期 |
| 食品・日用品などの消耗品 | 保存方法、使い方、必要な人への買い足し案内 | 内容量、利用頻度、実際の再注文までの日数 |
| ギフトとして買われる商品 | 贈る前の確認、包装や配送についての案内 | 贈る日、発送日、配送先 |
同じ商品でも、買った本人が使うとは限りません。ギフトを買った人へ「もう使い切りましたか」と尋ねると、話がかみ合わなくなります。ギフトかどうかを把握していない場合は、本人が使っていると決めつけない文面にします。
コットントートを例にした購入後メール3通
ここからは、架空の商品「Popaz Lab コットントート」を例にします。綿100%で、汚れた部分を水で湿らせた布で軽く拭く仕様です。洗濯機と乾燥機は使えません。商品も仕様も架空の例で、実在する商品の手入れ方法ではありません。
以下は選択肢としての3通です。最初から全員に3通送る必要はなく、自店でよく聞かれる質問に答える1通から始められます。
1通目 使い始める前に手入れ方法を伝える
件名:コットントートをお使いになる前に
Popaz Lab コットントートをご購入いただき、ありがとうございます。
お手入れの際は、汚れた部分を水で湿らせた布で軽く拭いてください。洗濯機と乾燥機は使わずにお手入れをお願いします。
詳しい取り扱い方法は、商品ページの「お手入れ」で確認できます。分からないことがあれば、下のお問い合わせ先へご連絡ください。
お手入れ方法を確認する
読み終えた人が何をすればよいかを一つに絞っています。リンク先はトップページより、該当商品の手入れ欄や専用ガイドが適しています。本文にも要点を書くと、画像が表示されなくても内容が伝わります。
2通目 困りごとを聞く
件名:コットントートの使い方でお困りではありませんか
コットントートの使い方やお手入れで、分からないことはありませんか。
「汚れたときはどうしたらいい?」「持ち手に気になるところがある」など、気になることがあればお問い合わせください。商品の状態を確認しながらご案内します。
お問い合わせの際は、ご注文番号を添えていただくと確認がスムーズです。
使い方を相談する
このメールは、問い合わせに対応できる窓口があることを前提にしています。返信を受け付けない送信元なら、問い合わせフォームへ案内してください。メールに返信してもらう場合は、その返信を誰が確認するかまで決めます。
不具合の相談に対して、交換や返金を必ず約束する文面にはしていません。実際には自店の対応条件に合わせて案内します。
3通目 長く使うための案内をする
件名:コットントートのお手入れ方法をもう一度ご案内します
コットントートの汚れが気になったときは、汚れた部分を水で湿らせた布で軽く拭いてください。洗濯機と乾燥機は使えません。
お手入れ方法をまとめたページは、必要なときに見返せます。生地や持ち手の状態について気になることがあれば、お問い合わせください。
お手入れガイドを見る
3通目は、日が経ってから手入れの質問が多く寄せられるストアで検討する案です。同じ説明が繰り返されるだけなら送らず、商品ページや同梱物からガイドを見つけられるようにする方法もあります。
買い足しの案内に変えるのは、相手が必要とする理由がある場合です。例えば消耗品なら、利用量に応じた再注文の目安が考えられます。購入日だけで「そろそろなくなります」と決めつけず、実際の再注文や顧客の声をもとに時期を調整しましょう。
本文と一緒に配信条件を決める
「購入の7日後」のように日数だけを決めると、まだ届いていない人や、返品を相談している人にも案内が届いてしまいます。送る時期と、送らない条件を同じ表にしておきます。
次の表は上のトートを扱う場合の設計例です。日数は一例です。配送日数と、商品を使い始める時期に合わせて調整してください。
| 案内 | 対象 | 送る時期の例 | 除外する人・注文 | その案内を止める条件 |
|---|---|---|---|---|
| 使い始めの案内 | 対象商品を初めて買ったメール購読者 | 到着を確認した1〜3日後 | 対象商品が未着、キャンセル済み、返品対応中、同じ案内を受信済み | 配信停止、対象商品の返品、その案内の送信完了 |
| 困りごとの確認 | 対象商品を買ったメール購読者 | 到着を確認した10〜14日後 | すでに相談中、ギフト用途、初回案内との間隔が短い | 配信停止、相談開始、その案内の送信完了 |
| 手入れの再案内 | 追加の手入れ案内が役立つメール購読者 | 到着を確認した30〜45日後 | 返品済み、直近に同内容を案内済み | 配信停止、その案内の送信完了 |
「到着を確認」は条件として書いたもので、Shopifyがどの注文でも到着日を把握できるという意味ではありません。配送状況の取得方法は配送会社や配送アプリによって変わります。到着日を取れない場合は、発送後の余裕を持った日数に置き換え、未着の相談がある注文を除外します。文面でも到着済みと断定しないようにします。
例にある「注文から3営業日以内に発送」は到着予定日ではありません。注文日、発送日、到着日を混ぜないことが配信ミスを減らす基本です。
除外条件は設定前に記録方法も決める
「相談中なら送らない」と決めても、問い合わせ情報がShopify側に入っていなければ自動では判別できません。担当者が顧客や注文にタグを付けるのか、問い合わせアプリと連携するのかを決めておきます。
再購入を促すメールでは、待機中にすでに買い足した人も除外候補です。配信予約時の状態だけで判断せず、送信前の状態を確認できる設計にします。ギフト用途や返品対応についても同様です。
Shopify Messagingで文面と配信条件を用意する
2026年10月時点の公式アプリ名は「Shopify Messaging」です。まずメールの下書きで文面を整え、その後に誰へ・いつ送るかを決めます。
メールの下書きを作成する
Messagingを開き、次の手順でメールの下書きを用意します。
- [メッセージを作成]を押します。
- [空白]のテンプレートを選び、[選択する]を押します。
- 件名とプレビューテキストを入力します。プレビューテキストは受信一覧などで件名に添えて表示される短い説明です。
- [セクションを追加]からテキストとボタンを加えます。案内文を入力し、ボタンのリンク先に該当する商品やガイドのURLを設定します。
- 「すべての変更が保存されました」と表示されたことを確認します。
メールを配信するには、Shopify Messagingの利用要件を満たす必要があります。
公式ヘルプでは購読者への配信に有効な有料プラン、オンラインストアの販売チャネル、決済サービスの設定などを求めています。下書きを作れることと、購読者へ配信できることは分けて確認してください。
メール本文の末尾には送信元の事業者名・住所、問い合わせ先、配信停止のリンクを残します。配信停止リンクを目立たなくしたり、デザイン上の理由で削ったりしないでください。重要な案内は画像だけにせず、文字としても載せます。
購入後の自動配信はオートメーションで設定する
上の操作は通常のメールの下書き編集です。購入後に自動で送るには、配信を始める条件も設定します。Messagingには、購入後のお礼や、初回購入後の追加購入を案内するオートメーションのテンプレートがあります。
今回のトートは「3営業日以内に発送」という設定なので、注文の翌日ではまだ発送前の可能性があります。お礼のテンプレートを到着後の手入れ案内に使うなら、待機日数と条件を見直します。
以下は公式ヘルプに基づく設定の流れです。自店の条件に合わせて設定し、有効にする前に対象と除外条件の動作をテストしてください。
- パソコンのShopify管理画面で[アプリ]から[Messaging]を開きます。
- [オートメーション]を開き、作成するテンプレートを選びます。
- 購入後のテンプレートでメールを編集し、件名・本文・リンク先を用意します。
- 開始条件、待機日数、送信対象を確認します。テンプレートの初期値が自店の商品に合っているとは限りません。
- 確認中は有効化せずに保存します。実際の運用を始める前に、テスト宛先で本文とリンクを確認します。
日本語の表示は管理画面によって異なる場合があります。公式ヘルプでは購入後のオートメーションをパソコンから作成し、有効化せず保存できる手順を案内しています。
商品や発送状況で細かく分けるならShopify Flow
標準テンプレートでは合わない配信条件や、他のアプリとの連携を組む場合は、Shopify Flowのワークフローが候補です。Flowは「注文が発送されたら」「一定の日数を待つ」「条件に合えば処理する」といった手順を組み合わせるアプリです。メール送信にはメールマーケティングを購読している顧客向けの「Send Marketing Email」アクションを使います。
このとき注意したいのが分割発送です。「Order fulfilled」を開始条件にすると、一つの注文でも発送する商品や拠点によって複数回動くことがあります。対象商品と送信済みの記録を確認し、同じ案内が重複しないようにします。
Flowの待機後は関連するストア情報が更新されます。待った後にキャンセルや同意の状態を判定する配置が必要です。待機できる期間は1ワークフローで最大90日なので、半年後などの長い間隔は別の設計を検討します。
表にある除外条件がテンプレートを選ぶだけですべて設定されるわけではありません。商品別の判定、問い合わせ情報、送信済みの記録が必要なら、それぞれのデータを確認してから自動化しましょう。
利用プランと料金も先に確認する
公式ヘルプでは、マーケティングオートメーションはBasic以上が対象で、全機能の利用にはShopify Flowが必要です。Flow自体はBasic・Grow・Advanced・Plusで使える無料アプリですが、メールの配信通数には別の料金条件があります。
Shopify Messagingのメールは月10,000通まで無料です。購入後の自動メールもこの通数に含まれ、1人に3通送れば3通と数えます。無料枠は通常のキャンペーン配信と共通で、翌月へは持ち越せません。
| 月間の送信通数に応じた区分 | その区分のメール料金 |
|---|---|
| 最初の10,000通 | 無料 |
| 10,000通を超え、300,000通までの部分 | 1,000通あたりUS$1 |
| 300,000通を超え、750,000通までの部分 | 1,000通あたりUS$0.65 |
| 750,000通を超える部分 | 1,000通あたりUS$0.55 |
2026年10月17日確認。Shopify本体の契約料や、SMSなど他のチャネルの料金は別です。例えば、その月に購入後メール3,000通と通常配信9,000通を送ると合計12,000通になり、超過2,000通のメール料金はUS$2です。
費用の通知額を設定できても、それを配信が自動停止する上限額と混同しないでください。利用するチャネルと当月の送信見込みを確認してから有効化します。
配信を始める前に確認すること
本文の見た目に加えて、誰に送られないかも確認します。別のメールアプリで購入後配信が動いているなら、同じ内容が二重に届かないよう整理してください。
| 確認する状態 | 期待する結果 |
|---|---|
| 対象商品を購入し、メール配信に同意している | 決めた条件と時期で、その案内が1回届く |
| メール配信に同意していない・配信停止済み | 購入後のマーケティングメールは届かない |
| 待機中に配信停止した | その後のマーケティングメールは届かない |
| 対象外の商品を購入した | トートの手入れ案内は届かない |
| 分割発送した | 同じ案内が重複しない |
| キャンセル・返品・相談中になった | 自店で定めた除外条件どおりに扱われる |
テスト用メールの送信は件名や本文の確認に使えます。ただし、テストメールが届いたことだけでは、同意の判定や待機中の除外まで確かめたことになりません。条件を含む動作確認は検証用の顧客と注文を使って別に実施します。
配信開始後に問題が見つかった場合は、対象のオートメーションを停止します。Shopify Messagingの公式ヘルプでは、停止すると待機中の実行もキャンセルされ、そのオートメーションから後続のメッセージは送られないと案内されています。
開封率だけで良し悪しを決めない
お手入れの案内なら、ガイドを読んだ人がいるか、問い合わせで困りごとを確認できたかが見直しの手がかりになります。買い足しの案内なら、再注文までの日数や注文内容も確認します。
Shopify Messagingではクリック、注文、配信停止などを確認できます。開封の計測はメールのプレビューやセキュリティ機能に影響され、実際には読まれていなくても記録されたり、画像の読み込みが無効で記録されなかったりします。開封率が高いだけで「内容に満足している」とは判断できません。
配信先が少ないうちは、割合と一緒に人数を残すと判断しやすくなります。例えば50人に配信して1人が停止すれば2%ですが、その1回だけで成功や失敗を決めるのは早いでしょう。対象商品、文面、配信日、届いた件数、クリックした人数、返信、配信停止の人数をそろえて見ます。
すぐに買い足す商品でなければ、短期間に再購入がないこと自体も失敗とは限りません。相談への返信や手入れガイドの閲覧を確認し、必要な案内になっていたかを考えます。購入が記録されても、メールだけで売上が増えたと証明できるわけではありません。
まずは一つの商品と1通のメールに絞り、担当者が返信と配信結果を確認できる状態で始めてください。続けられると分かってから、別の商品や次の案内を増やす順序で十分です。
よくある質問
購入した人全員にメールを送れますか?
注文確認や発送通知と、購入後のマーケティングメールを分けて考えます。Shopify Messagingによる購入後の案内は、メールマーケティングの購読者を対象にします。購入履歴があるだけで購読扱いにはしません。
購入から何日後に送るのがおすすめですか?
商品、配送日数、メールの目的によって変わります。使い方の案内は使い始める頃、消耗品の買い足しは実際の消費量や再注文の傾向をもとに決めます。注文日を起点にすると未発送の人に届くこともあるため、発送や到着の状況も確認してください。
最初から有料のメールアプリが必要ですか?
Basic以上のストアならShopify Messagingと、必要に応じて無料のShopify Flowから検討できます。メールは月10,000通の無料枠がありますが、購入後配信と通常配信の合計で数えます。外部アプリは、必要な条件分けや問い合わせ情報との連携が標準機能で足りない場合に比較すると選びやすくなります。
商品別の配信条件や、問い合わせ・返品対応との連携を整理したい場合は、Popazのサービスをご覧ください。どの情報を使って、どの状態の人に案内するかから相談できます。
情報の確認について
本記事の機能・設定・料金に関する情報は、2026年10月17日時点のShopify公式資料で確認しています。仕様や料金、管理画面の表示は更新されることがあります。


